就職内定を勝ち取った強化指定クラブに所属する先輩に大学生活を振り返っていただきました。本学を選んだ理由、スポーツと学業の両立、公務員試験対策……などなど、楽しかったこと、大変だったこと、うれしかったこと、学び、成長、今後の夢、目標について先輩たちの本音に迫ります。今回は、2024年シーズンから京滋大学野球リーグの1部でプレーした硬式野球部のふたりの4年生に登場していただきました。
硬式野球部 主将・投手
小野龍毅さん(救急救命学科4年鶴崎工業高校出身・大分)
大分消防局内定(大分県) 消防士
―消防士を目指したきっかけ、本学に入学しようと思ったのは?
小野 小学生の時に母から消防士を勧められ、よく消防署の見学などに連れていかれていましたが、当時はそれが嫌でいつも泣いていた記憶があります。その気持ちが変わったのが中学の時です。野球の試合で頭部に死球を受け救急車で運ばれた際、隊員の方にやさしく接していただき、火事の現場以外にもいろいろ活躍の場あることを知り興味を持つようになりました。
高校までは野球に打ち込み、やり切ると決めていたので、全力で取り組んでいました。将来を決める際、工業高校でしたが、そういう方面での仕事にイメージが沸かず、小さい頃から母にも勧められていた消防士を目指そうと学校を探していた際に目に留まったのが本学でした。もともと九州から一度は出たいと考えており、救急救命のことが実践的に学べて野球部もあることが決め手となりました。
―学業とスポーツの両立はいかがでしたか?
小野 工業高校出身で、大学ではまったく畑違いな科目も多く、最初は付いていけるか心配でした。高校時代に生物なども習っていなかったので、解剖学や生理学などは特に大変でしたが、先輩や先生に質問することはもちろん、1日最低何時間かは復習するように決め、分からないところを後回しにしないよう取り組むことで乗り切ることができました。
―大学生活で印象に残っている授業、実習は?
小野 1年生の時の救助棟での都市型救助実習や3年生の雪山実習などは印象に残っています。都市型救助実習は一番最初の本格的な救急救命の実習ということで、その後の活動の基本となりました。雪山実習は仲間と寝食を共にし、助け合いながら救助技術を学び成長することができたと感じています。
入学するまでは、消防士といっても消防車や救急車で現場に駆け付け、火事や事故現場などで救助にあたるぐらいのイメージしかありませんでした。大学で医療知識なども含めいろいろと学ぶことで、視野が広がり、人命救助に対する考え方がさらに深くなりました。
―公務員試験に合格され、消防署に内定されています。
小野 私は地元の大分市の消防局から内定をいただいています。大学に入ってから、救急救命士の国家資格を持った消防士になりたいと思っていました。
公務員試験対策、スポーツと学業の両立の大変さは、先輩や先生方からも言われていたので、早い段階からクラスの仲間などと一緒に、励まし合い切磋琢磨しながら取り組んできたことが今回の結果につながったと感じています。一緒に勉強していた私のグループは全員、消防に合格し目標を達成することができ、共に喜び合えて本当によかったです。
最初は慣れない下宿生活を含め勉強時間を確保するのに苦労しましたが、生活リズムが整ってきてからは、それが普通になり、両立も苦にならなくなりました。3、4年生になると空きコマも増えるので、そうした時間を上手く活用して公務員試験対策などに充てていました。
―クラブ活動で印象に残っていることは?
小野 高校まで所属したチームは同級生も多く、仲間で支え合いながら取り組んできましたが、私たちが入学後に準硬式から硬式に変わったこともあり、同学年が松園さんとふたりで、1・2年生中心の若いチームということもあり、その責任の重さを感じながらチームを引っ張ってきました。それでも、後輩たちが頑張ってくれたお陰で、京滋リーグの1部に上がれ、2024年シーズンも1年間1部を守り抜くことができました。一番印象に残っているのは、私たちが3年生の時も先輩はひとりになっていましたが、その先輩がいらっしゃる間に1部に昇格できたことです。
―将来の夢、目標を教えてください。
小野 大分市には海外救助隊の方もいらっしゃるので、しっかり経験を積み技術力をアップさせ、そうした先輩方のように世界で活躍できる人材になることが目標です。英語も苦手ですが、これからしっかり勉強していこうと考えています。
―将来、消防士、救急救命士を目指す後輩たちにメッセージをお願いします。
小野 程よい田舎で電車の本数なども少なく不便なところもありますが、それ以上に勉強、スポーツに打ち込む環境が整っているのが魅力です。電車の待ち時間も、それだけ勉強や練習ができると思えば、苦にはなりません。先生方との距離も近く、実習施設・設備はどの学校にも負けないものが揃っています。
硬式野球部もできて日が浅く、他の部員数の多い大学と比べても頑張り次第で1年生から試合に出ることもできると思います。本学で夢を叶えてほしいと思います。