グランドスラム東京2023を終えて
髙木選手に聞く
―はじめてのシニアの世界大会に挑みました。緊張などはありませんでしたか?
髙木選手 前日軽量までは少し緊張しましたが、試合当日はまったく緊張しませんでした。観客もたくさんで会場の雰囲気もこれまで試合とはまったく違い、ワクワク感でいっぱいでした。8月の関西学生体重別で優勝して以降は自信が付き、9月の日本ジュニアからは、それまでが嘘のように緊張せず試合に臨めています。
―初戦から3戦続けて海外の強豪との試合になりました。対戦した印象はいかがでしたか?
髙木選手 思っていたより普通に戦えたというのが実感です。組手はもちろん技の入り方など独特のものがあり、世界ジュニアの時よりさらにパワーを感じました。前日まで誰とあたるか分からなかったので、何人か動画を見て小川監督とも対策を練っていたので、やり辛さを感じることなく、こちらのペースに持っていくことができたと思います。
―海外の強豪と対戦し、手応えを得た点、反対に課題となったところは?
髙木選手 練習通り普段の自分を出し切れれば通用すると感じました。夏以降もしっかり練習を積むことができていたので、スタミナには自信があり、延長に持ち込めばこちらが有利になるという強い気持ちで臨めたのが良かったと思います。試合運びや指導の取り方など学ぶことも多く、今回の経験をこれからの大会に生かしていければと思います。
―準決勝、3位決定戦では日本人同士の対戦となりました。
髙木選手 いずれも初めて対戦する選手で思い切ってぶつかるだけでした。準決勝では勝負にいったところを相手に合わせられポイントを取られてしまい、その後、試合中に右足首を捻挫してしまって、いつも通りの試合展開にもっていくことはできませんでした。それでも内容的には悪くなかったので、次につながる試合になりました。3位決定戦は、足の痛みなどもありましたが、私が中学・高校の時から活躍されている選手で、そんな強い選手と戦える機会はそうはないので、やってみたいという気持ちが強く、チャレンジしました。技のキレなどはさすがだなと感じましたが、挑戦者として攻め続けることができ、理想の試合展開に持ち込めました。勝てるとは思っていなかったので、えっ勝った?メダル?という驚きの気持ちが大きかったです。
―初めての世界大会となった世界ジュニア(個人銀メダル・団体金メダル)、初のシニア勢と対決した講道館杯(7位)、そして今回のグランドスラム東京2023での銅メダル獲得とたくさんの経験を積んだ1年となりました。この1年を振り返ってみてください。
髙木選手 これまでの自分からは考えられないような1年でした。運も良かったと思いますが、しっかり練習を積んできた成果を、肝心な試合で出せ、ワンチャンスを逃さずつかむことができました。これも監督はじめ仲間、コーチ陣、学校関係者など周囲の方々の支えのお陰であり、感謝しています。
―怒涛の1年を終え、2024年度に向けた決意、目標は?
髙木選手 今シーズンの結果で、憧れのオリンピック出場(2028年ロサンゼルス五輪)も少し光が見えてきました。1年を通じ体力、攻撃の速さなどは成長しましたが、シニアの大会を通じ、技の威力不足を感じました。この冬もしっかり稽古を積み、一つ一つの技のキレ、威力を強くし、さらに上を目指していきたいと思います。まだ、全国、国際大会で1位になっていないので、チームの団体も含め日本一、金メダルを獲得できるよう頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします。
―ありがとうございました。